これだけは押さえたい!浴衣の立ち居振る舞い&着崩れの直し方
8月は、花火大会やお祭りなど、浴衣を着てお出かけするイベントが増える季節ですね。
「夏が来る前に浴衣を準備!着付けのポイント&必要アイテム」の記事では、浴衣の着付け方を中心にご紹介しましたが、今回は浴衣でお出かけするときに知っておきたい「立ち居振る舞い方と着崩れの直し方」についてお話をしていきます。
せっかく素敵な着物を着ていても、着崩れが目立ったり、立ち居振る舞いがイマイチだと、周囲から残念に思われてしまいます。そうならないためにも、ポイントをしっかりと押さえた立ち居振る舞いで夏の浴衣姿を楽しみましょう。
着崩れ防止にも! 浴衣の立ち居振る舞い方をチェック
浴衣でお出かけをするときに、立ち居振る舞いを意識していますか?もしかするとなかには、自分でも気づかないうちに周りからちょっと残念…と思われるような立ち居振る舞いをしてしまっている人もいるかもしれませんね。
そうならないためにもまずは、浴衣に相応しい立ち居振る舞いができているか、チェックしていきましょう。浴衣を着ているときを思い出して、チェックしてくださいね。
浴衣の立ち居振る舞いをマスターすることは、着崩れを防止にも繋がります。美しい浴衣姿を目指すためにも、何がNGな立ち居振る舞いなのかを知り、対策を取ってお出かけしましょう。
ガニ股、大股で歩いていませんか?
浴衣で街中を歩くときに、ガニ股や大股で歩くと裾が乱れやすくなります。浴衣姿で美しく歩くときは、「歩幅は狭く、内股ぎみ」がポイントです。裾がはだけると、だらしない印象に映ってしまうので、浴衣を着たときにどれぐらいの歩幅がベストなのか確認しておきましょう。
また、浴衣で歩くときは靴擦れにも要注意。普段は着慣れない下駄で長時間歩くと、靴擦れが起きてしまうことがあります。自分のサイズに合った下駄を選ぶのはもちろんですが、履く前に鼻緒を解したり、鼻緒が足に食い込まないように歩くのも対策になります。万が一のときのために、絆創膏を用意しておくと安心ですよ。
猫背になっていませんか?
浴衣に限った話ではありませんが、猫背姿はだらしない印象や老けた印象を与えてしまいます。猫背は、浴衣の着崩れの原因となることも少なくないので、注意したいですね。
猫背がだらしなく見える一方で、ピシッと背筋が整った女性は、周りから目を引く存在です。猫背は腰痛や肩こりの原因にもなると言われているので、美しい浴衣姿のためにも改善するのがおすすめ。普段から背中を丸めてしまうことが多い人意識して歩くようにしてはいかがでしょうか?
椅子に座るときに、深く腰かけていませんか?
浴衣を着て、電車や車で移動するときなど、椅子やソファに座るときに気を付けたいのが、帯の着崩れです。疲れていると、つい背もたれにもたれかかるように座ってしまいますが、これではせっかく結んだ帯が潰れてしまいます。
浴衣は華やかな飾り帯をすることも多いので、帯の着崩れにはとくに気を付けたいですね。椅子に座るときは、浅く腰かけるのが正解。深く座ると、気づかないうちにお尻部分にシワが寄っていることもあるので注意してください。
手を伸ばすときに、袖が下がってきていませんか?
電車のつり革を持つときなど、手を上に伸ばすときは、袖が下がらないよう袖口や袂をおさえるようにしましょう。押さえずに上に手を伸ばすと、袖が二の腕の方まで下がってきてしまい、あまり品が良くありません。
食事中に遠くの食べ物を取るときなども同様です。不意に袂が他のご飯についてしまうこともあるので、しっかりと押さえておくようにしましょう。
トイレから出てきたら、浴衣が着崩れていませんか?
浴衣姿でのお出かけでは、浴衣姿でトイレに行かなければいけない場面も出てきます。トイレに行くと、どうしても浴衣が崩れてしまうという経験がある人も多いのではないでしょうか?
浴衣でトイレに行くときは、裾が汚れる心配を減らすためにも洋式がおすすめです。何も考えずに裾を上げると、着崩れの原因になるので、浴衣、裾除けの順にめくるようにして挙げ、帯にはさみます。
裾を留めるためのクリップなどを用意しておくと、楽にトイレを済ませることができますよ。また、トイレを済ませたら、鏡の前で着くずれがないかを確認し、あれば整えておきましょう。
階段の昇り降りで、裾を踏みそうになっていませんか?
駅や神社、お寺など浴衣姿で長い階段を昇ることも少なくありません。階段の昇り降りで気を付けたいのが、裾。不意に裾を踏みつけてしまうこともあるので、上前を少し持ち上げて階段の昇り降りをしましょう。
裾を持ち上げるとはいっても、足が大きく露出するほど上に引き上げたり、両端を持ち上げるのはNG。着崩れすることにもなるので、片手で軽く上前を持ち上げるようにするのが正解です。上品なしぐさで階段の昇り降りをしましょう。
万が一浴衣が着崩れたときはどうすれば? 着崩れの直し方
いくら立ち居振る舞いに気を配っていても、着崩れてしまうことはあります。そんなときに知っておきたいのが、浴衣の着崩れの直し方。万が一のときも落ち着いて対応すれば、それ以上着崩れが進行する心配がなくなります。
今回は、着崩れやすい衿元や裾、帯の直し方についてご紹介していきます。着崩れを直すときはトイレなど人目につかない場所でおこなうことも忘れずにおきましょう。
衿元が崩れた場合
長時間着物姿でいると、衿元がゆるんで胸元がはだけてしまうことがあります。最悪の場合、下着が見えてしまうということも…。そんな恥ずかしい状態にならないためにも、衿元が着崩れた場合はしっかりと対処をしましょう。
上前(※1)が着崩れている場合、上前に繋がるおはしょり(※2)を下に引っ張り整えます。下前(※3)の衿は、脇の下の穴から手を入れて、引っ張るようにして整えればOKです。
※1.上前とは、着物を着たときに上側にくる部分。
※2.おはしょりとは、帯の下にある和装の部位。男性の浴衣にはおはしょりがなく、女性の浴衣にだけあります。
※3.下前とは、着物を着たときに下側にくる部分。
裾が広がった場合
階段の昇り降りなどを繰り返すと、裾が広がりだらしないスタイルになってしまうこともあります。裾が汚れやすくなりますし、踏みつけて転ぶ危険性も高まります。
この場合は、下前、上前の順に、裾を引き上げて腰紐にはさむようにすれば問題ありません。心配であれば、腰紐を結び直しておくと、より安心ですよ。
帯がゆるんできた場合、きつい場合
帯がゆるく感じたら、タオルやハンカチなどを挟むと応急処置になります。逆に帯がきつく感じる場合は、帯を下に引いたり、腰紐を緩めることで改善できます。苦しいままにしておくと、体調が悪くなることもあるので、早目に対処したいですね。
美しい立ち居振る舞いで、浴衣美人に!
夏の風物詩でもある、涼し気な浴衣姿。美しい立ち居振る舞いは、より一層浴衣姿を美しく見せるためには欠かせないものです。
浴衣の立ち居振る舞いや着崩れの直し方は、着物の立ち居振る舞いや着崩れの直し方と通じる部分も多いので、これから着物の着付けを習いたい、と思っている着物初心者さんも覚えておいて損はありません。
今回ご紹介した、浴衣の立ち居振る舞い方と着崩れの直し方をマスターして、真の浴衣美人を目指してくださいね。今年の夏は、浴衣姿でいろいろなスポットへお出かけしてみてはいかがでしょうか?