お気に入りの着物を長く着るために!正しい着物の保管方法を覚えよう
正しい着物の保管方法をご存じですか?いくらキレイな着物姿をしていても、正しい保管方法を知らなければ、本当の着物美人とは言えないでしょう。
正しい着物の保管方法を知らないと、お気に入りの着物がムシに食われていたり、カビが生えていたなんてことにもなりかねません。このように、着物の保管方法を知ることは、着物を長持ちさせることにも繋がるのです。
そこで今回は、お気に入りの着物を少しでも長く着たいという方のために、着物の正しい保管方法について詳しくご紹介をします。「少しでもお気に入りの着物を長く着たい」「着物の保管方法について詳しく学びたい」という方は要チェックですよ。
1.着物を着たらまずはお手入れを
洗える着物であれば、汚れてもすぐに畳んでネットに入れて洗濯機に掛ければいいですが、絹で出来た着物など自宅で洗うことができない着物は、クリーニングに出す必要があります。
自宅できる着物のお手入れ方法についてはこちらの記事に詳しく書かれているので参考にしてください。
参考記事:クリーニングってした方がいいの?きもののお手入れ方法
2.綺麗に畳めば着物の寿命も延びる
出典 http://item.rakuten.co.jp/yuubi/
物が畳まれた状態で返ってくるので問題ないですが、洗える着物など自宅で着物を管理する場合はそうはいきません。自分で着物を畳んで、保管をする必要があります。
もしかしたら、今までなんとなく着物を畳んでいたという方もいるかもしれませんが、着物を正しく保管したいのであれば、正しい畳み方をマスターしましょう。間違った畳み方は、着物を傷めてしまい着物自体の寿命を縮めてしまう原因になります。
また、着物を畳むときは、正しい畳み方というのはもちろんですが、着物を畳む場所が清潔であるということも大切です。床が汚れていないかよく確認してから着物を置くようにしましょう。
着付け教室「着楽楽」では、着物の着方はもちろんですが、着る前の準備として畳み方についても教えてくれるので、正しい着物や帯の畳み方を覚えることができますよ。
着物の畳み方には様々な種類ある
着物の畳方にも様々な種類があります。ここからはきものの畳み方の種類について見ていきましょう。
- 本畳み
単衣や袷などスタンダードな着物を畳むときに使う畳み方です。シワが付かないように折るようにします。
- 夜着畳み
豪華な刺繍や金箔などがある場合に使われる畳み方で、保護したい部分に白布などを当てて畳んでいきます。主に、装飾の付いた留袖や訪問着などを畳むときに使われます。
- 襦袢畳み
その名の通り、襦袢を畳むときに使われる畳み方です。少ない行程で畳むことができます。
- 羽織畳み
羽織やコートなどを畳むときに重宝する畳み方です。
- 袖畳み
本畳みが着物を保管するときの正式な畳み方だとすると袖畳みは、簡易的な畳み方。行程も本畳に比べると少なく、とりあえず畳みたいときに用いられます。
どれも一見すると大変な畳み方ですが、一度覚えてしまえば簡単にできるので、着物の着付けを覚えるのと同様に必ず覚えるようにしてください。
3.着物は湿気を避けた場所に保管する
着物の天敵のひとつが「湿気」。湿気が多い場所に着物を置いておくと、カビが生えてしまう可能性が高くなります。着物を保管するときは着物を湿気から守る効果があるとされる「たとう紙」に包んでからタンスなどに収納してください。
着物を収納する場所としてよく名前があがるのが、「桐タンス」ですね。桐タンスには、湿度が低いときは通気性を良くし、湿度が高いときは密閉状態になるという特性があります。タンス内部の湿度を一定に保ってくれる性能があるため、着物を保管するのに最適の空間と言われています。
また、上段ほど湿気が溜まりにくいとされているので、湿気を避けたい高価な着物は上段に保管をするようにしましょう。
複数の防虫剤を混ぜないように
虫やカビを防ぐために、防虫剤や乾燥剤をたくさんタンスに入れているという人もいますが、染みの原因になる可能性もあるので、必ず1種類に留めるようにしましょう。
防虫剤の種類にもよりますが、場合によっては染みが残ってしまうこともあります。また、防虫剤は、直接着物に触れないようにタンスの四隅に配置するとより効果的です。
詰め過ぎは、シワの原因に
着物をタンスに入れるときについつい詰め込み過ぎてしまいますが、重ねすぎるとシワの原因になってしまいます。着物と帯はできる限り、別に保管をするようにし、5枚ほどに留めておきましょう。
また、保管場所の都合などによりどうしても一緒に保管をしなければいけないという場合は着物の上に帯を重ねるようにして保管をしてください。
刺繍や金箔などが付いた着物はとくに丁寧に
刺繍や金箔は変色をしたりすることがあるので、和紙や白い布などを当て傷まないように工夫をしましょう。
また、ゴム製品と一緒にしまうというのもNGです。化学反応によって変色してしまう可能性があるので、着付けのときに使うゴム製品は必ず着物とは別の場所で保管をするようにしてください。
4.年に一度は「虫干し」をしよう
出典 http://item.rakuten.co.jp/yuubi/
虫干しとは、衣類を外に出して湿気やカビ、害虫を防ぐ作業のことです。日本は湿気が多い風土ですから、1年に1度虫干しをすることで、普段身に付けない着物の点検をすることができますし、虫の発生も予防できます。
虫干しに良いとされる時期は、
- 7月下旬~8月上旬
- 9月下旬~10月中旬
- 1月下旬~2月上旬
の年3回。晴れの日が2、3日続いた10時~15時に行うのが良いとされています。場所は、陰干しができる風通しの良い部屋を用意してください。
虫干しのやり方
- 1.まず部屋の窓を開けて、換気をします。
- 2.着物を裏返しにして着物ハンガーに掛けましょう。このとき直射日光が当たらない、日陰に着物をかけます。直射日光は、色あせの原因になるので、必ず守るようにしてください。
- 3.着物に虫食いや痛みがないかなど確認をします。着物に傷みなどがあった場合は、専門の業者へ依頼するなど早急な対応を取るようにしましょう。
- 4.このとき、タンスのなかの掃除も行い、風通しのいい場所に置いておくと良いです。
- 5.虫干しが完了したら、布を使って埃を落とします。
- 6.あとは、着物を畳んで防虫剤や乾燥剤を入れたら完了です。
5.たとう紙は変色したら交換を
出典 http://item.rakuten.co.jp/yuubi/
虫干しをしたときなど、たとう紙が変色をしているときは、必ず新しいものと交換をするようにしましょう。できれば、1年に1度は新しいものと交換をするのが良いようです。たとう紙は、安いものであれば1枚100円ほどから購入できますよ。
たとう紙のなかには窓が付いており、全て開かなくてもどんな着物が入っているのか中身を確認できるものも販売されています。普段からよく着物を着るという人や着物の種類が多いという人は、窓が開いているたとう紙を使うと普段の着物の出し入れがとても楽になるでしょう。
いかがでしたでしょうか?今回は、着物の保管方法についてご紹介しました。虫干しは着物を保管する上でとても大切な作業です。留袖など着る場所が限られてくる着物などは、なかなか出番がなく長期間タンスに仕舞いっぱなしということもありがちです。
いざ着てみようと思ったときにカビが生えていたり、金箔が剥げていたりするのはとても残念ですよね。虫干しを年に1回することを徹底すれば、そういった心配も少なくなりますよ。
これから、着物を着たいと考える人は保管方法も注意を払うようにしてはいかがでしょうか。