浴衣のしまい方を解説!シーズンオフ前の手入れを忘れずに
夏が終わり、秋も本番。夏の間、花火大会やお祭りで身に着けたお気に入りの浴衣も、そろそろタンスにしまう時期です。とはいえ、浴衣を洗濯もせず収納したり、適当にたたむのはNG!
シーズンオフ前の丁寧なお手入れが、来年も気持ちよく浴衣を身に着けるポイントです。面倒だと思わずに、しっかりお手入れをしてくださいね。
今回は、浴衣を持っている人が知っておきたい、シーズンオフ前の浴衣のお手入れ方法についてご紹介していきます。洗濯方法や、たたみ方などチェックしていきましょう。
シーズン中とシーズンオフ前で異なる、浴衣のお手入れ方法
これから何度も浴衣を着ることになるシーズン中と、浴衣を着ることの無いシーズンオフ前ではお手入れ方法が異なります。
浴衣のお手入れは、毎回気持ちよく浴衣を着るためには、欠かせないモノ。お手入れをサボってしまうと、染みやシワが残った浴衣を着ることになってしまいます。
シーズン中
これからまだまだ浴衣を着る機会があるシーズン中は、汚れやシミが無ければその都度洗濯をしなくてもOK。ただし、下着などは汗が染み込んでいるので、毎回洗濯をしてください。
浴衣は、着た後にハンガーにかけ、風通しの良い場所で一晩干しましょう。自然と湿気やシワが取れます。汗をたくさんかいたときや汚れが目立つ場合は、自宅で洗濯するか、クリーニングに出し、より丁寧なお手入れを。浴衣に付いたシミや汚れは、早めの対処が肝心です。
シーズンオフ前
シーズン中は、ハンガーにかけるだけだったという人も、シーズンオフ前にはしっかりとお手入れを。とくに、洗濯またはクリーニングでのお手入れは、忘れずにおこないましょう。自宅で洗濯する場合の方法については、後ほど詳しくご紹介します。
洗濯やクリーニングから返ってきた浴衣は、丁寧にたたみ、次のシーズンまでタンスなどに収納します。
シーズンオフ前の浴衣のしまい方!
シーズンオフ前の浴衣のお手入れには、洗濯やクリーニングが欠かせません。誤ったしまい方は、浴衣を傷つけてしまうこともあるので注意! お気に入りの浴衣を長く着るためにも、お手入れ方法をしっかりと学んでおきましょう。
ここからは、シーズンオフ前の浴衣の洗濯方法や乾燥方法について詳しくご紹介していきます。
1.家庭で洗えるかどうか、洗濯表示を確認
まずは、家庭で洗えるモノなのか、浴衣に記載された洗濯表示を確認します。最近は自宅で洗えるモノが多いですが、なかには手洗い推奨や、洗濯機NGのモノもあるので、必ずチェックしてください。
自宅で洗濯できないモノや、高級な浴衣は、クリーニング店に依頼するのが安心です。
2.汚れやシミの有無をチェック
自宅で洗える浴衣であれば、さっそく洗濯をしていきましょう。洗濯機へ投入する前に、浴衣に汚れやシミが付いていないかチェックします。衿や裾部分は、自分でも気づかないうちに汚れが付いていることもあるので、注意深く確認したいですね。
- 汚れがつきやすい部位と種類
- 衿……ファンデーションや汗
- 裾……泥ハネやほこり
- 身頃……食べこぼし
本格的に洗う前に前処理をしておくと汚れやシミが落ちやすくなります。どうしても取れない汚れやシミがある場合は、無理をせずクリーニング店に相談に行きましょう。
3.たたんだ浴衣を洗濯!
洗濯機、手洗い、どちらの場合も一度浴衣をたたんでから洗いはじめます。このときの浴衣は、「袖だたみ」という方法でたたみます。(※袖だたみのたたみ方は、後ほど詳しくご紹介します。)その後、それぞれ以下のような方法で洗濯をおこなってください。
洗濯機の場合……浴衣のサイズにあった洗濯ネットに入れてから、手洗いコースやドライコースで洗濯をします。洗剤は、中性洗剤を使用してください。
手洗いの場合……たらいなどに中性洗剤を溶かし、たたんだ浴衣を投入。押し洗いをします。その後、脱水(1分)、すすぎ(押し洗い)、脱水(1分)をおこなったら、手洗いは完了です。
4.日陰で干す
洗濯機、手洗いともに脱水が終わったら、すぐに取り出して乾燥をさせます。洗濯機の中に放置しておくと、シワがつきやすくなります。手で軽くたたくなど、シワを伸ばし、形を整えてから乾燥をしてください。
浴衣は直射日光に当たると色落ちすることもあるので、風通しの良い日陰で乾燥させるのが基本。和装ハンガーにかけたり、竿に袖を通すようにして乾かしましょう。どちらもない場合は、複数のハンガーを使うなどして、干すこともできます。
5.アイロンをかける
乾燥が終わったら取り込み、シワがないか確認を。シワが残ってしまった場合は、アイロンをかけてからしまいましょう。袖、衿、左右の身頃、背縫いを中心にかけていきます。
アイロンを使うときは、必ず温度の確認を。必要であれば当て布を使用し、丁寧にアイロンをかけていきましょう。
6.たとう紙に包み、収納
浴衣のシワがなくなったら、「本だたみ」というたたみ方で浴衣をたたみたとう紙に包み収納します。(※本だたみのたたみ方は、後ほど詳しくご紹介します。)
たとう紙とは、通気性や吸湿性に優れた紙で、着物などを収納する際に使用します。変色をしたら、新しいモノと交換を。防虫剤を入れる場合は、浴衣に触れないようにしてください。
浴衣のたたみ方を確認
先ほどから名前が出てきている「袖だたみ」と「本だたみ」。どちらも浴衣をしまうときに欠かせないたたみ方なので、浴衣を持っている人は覚えておきましょう。正しいたたみ方をしないと、収納している間にシワが残ってしまいます。
また、浴衣をたたむときは、ほこりなどが付かない、浴衣を広げられる場所でおこなうのがポイント! さっそく、それぞれどんなたたみ方をするのか、見ていきましょう。
袖だたみ
洗濯前のたたみ方として登場したのが、袖だたみ。のちほどご紹介する本だたみに比べると行程が少なく、とりあえずたたみたいときに重宝するたたみ方です。
- 1.左右の袖が合うように、背縫い部分で半分に折りたたみます。
- 2.左右の袖を身頃に合うようにたたみましょう。
- 3.最後にじゃばら状に身頃部分を折りたたんでいけば、完了。その際、裾と袖部分が外側にくるように折りたたむのがポイントです。
本だたみ
浴衣をしまうときにたたむ本だたみ。袖だたみに比べるとたたむ回数が多く少し大変ですが、着物をたたむときにも使うので、覚えておくと便利です。
- 1.まず、左に衿、右に裾がくるように浴衣を広げ、下身頃の脇縫いを折ります。
- 2.下身頃のおくみに沿って手前に折り返し、衿を内側に折ります。
- 3.左右のおくみと衿が重なるように、上前身頃を折ります。
- 4.脇縫いや袖が重なるように、背縫いで半分に折ります。
- 5.左袖が身頃の上に重なるように、折ります。
- 6.身頃を半分に折ります。
- 7.最後に、裏返して右袖が身頃の上に重なるように折ったら、完成です。
来年も、お気に入りの浴衣でお出かけ!
今回は、オフシーズン前にやっておきたい浴衣のお手入れ方法について、詳しくご紹介しました。浴衣姿で楽しくすごしたあとは、浴衣のお手入れを忘れずにしたいものです。 毎回丁寧にお手入れをすることで、お気に入りの浴衣を長く身に着けることができますよ。
また、今回ご紹介した「袖だたみ」と「本だたみ」、2種類の浴衣のたたみ方は、着物をたたむときにも使えるので、これから着物をはじめたいと思っている人はこの機会に覚えてみてはいかがでしょうか?