着物の基礎知識

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着物だけじゃない!世界の民族衣装について

着物の基礎知識

日本の民族衣装として古くから愛されている着物は、成人式や結婚式、卒業式など現代のハレの日には欠かせない存在ですよね。着物や夏に着る浴衣は、日本を象徴する衣装として世界的にも知られています。

では、世界の国々のなかにも日本で言うところの“着物”のような民族衣装はあるのでしょうか? そこで今回は、日本の着物だけでなく、韓国やインドなど世界各国の民族衣装目を向け、その特徴などをご紹介していきます。

【日本】着物

日本の民族衣装といえば着物ですが、奈良時代まではズボンやスカート、ワンピースのような形をした衣類を身に付けていました。平安時代に入り、着物が登場。この時代は、十二単に代表されるように同じ着物を重ねて着ていたことから、色の組み合わせも意識されるようになりました。

その後、時代を追うごとに発展をとげつつ、着物は生活へと根付いていきましたが、明治時代に入り西洋の文化が入ってくると一転。政府の命令により、正式な場で洋服の着用が義務付けられる(官僚や軍人など)など、現在のように洋服を着る機会の方が段々と増えていき、着物は普段着からハレ着という認識に移り変わっていきました。

しかし、忘れてはならないのが、着物はハレ着としてはもちろん、普段着としても身に着けられるということ。着物は、着付けさえマスターしてしまえば、誰でも簡単に着ることができる衣装です。ハレ着だけというのはとてももったいないので、興味がある方はぜひ普段着にも着物を取り入れてみてはいかがでしょうか。

関連記事:振袖と留袖の違いって?知っておきたい着物の種類

 

<番外編>

日本の民族衣装というと、着物をまずイメージする人も多いと思いますが、地域ごとの民族衣装も存在します。例えば、沖縄の民族衣装・琉装がそのひとつでしょう。琉球王国時代から着られている衣装で、南国感あふれる華やかな色合いが特徴。

一見すると着物のような見た目をしていますが、帯で固定する必要が無いなどいくつか違いもあります。着物と見比べてみると面白いかもしれませんね。

【韓国】韓服

日本のお隣、韓国の民族衣装として知られるのが「韓服」。なかでも女性が身に着けるチマチョゴリは、韓国を印象付ける衣装として日本でもおなじみの存在ですね。チマチョゴリは、チマと呼ばれる巻きスカートとチョゴリと呼ばれる上衣をセットにした衣装のことで、女性が身に付ける民族衣装です。

男性が身に着ける韓服は、パジチョゴリと呼ばれ、チョゴリの下にパジと呼ばれるズボンを履きます。また、男性用のチョゴリは、女性ものより丈が長いのが特徴です。

そんな韓服ですが、かつては普段着として着られることが多かったものの、現在では祭典など特別なときに身に着ける民族衣装となっています。ただ、時代に応じて改良される取り組みもあり、普段使いしやすい韓服なども登場しているようです。

【インド】サリー

日本ではハレの日に着られることの多い民族衣装ですが、世界的に見てみると現在でも日常的に着られている民族衣装があります。そのひとつが、インド人女性が着ているサリー。

サリーは、チョリ(ブラウス)とペチコートの上から長い一枚の布を身体に巻き付けるようにして着る民族衣装で、一説によると5000年以上前にはすでに存在していたと言われています。着物が平安時代(794年~1185年)に誕生したことを考えるとその歴史がいかに長いものかがわかってもらえるでしょう。

そんな長い歴史の中で発展してきたサリーは、カースト(インドの身分制度)や地方によってさまざまな着方があるのも特徴です。また、着物にハレ着用と普段着用があるように、サリーも普段着るためのおしゃれ着用と結婚式などで着るフォーマル用があります。日常的に着られているからこそ、多様な着こなしやTPOに合わせた衣類が生まれてきたのかもしれませんね。

<番外編>

インドといえば、サリーというイメージが強いですが、他にも民族衣装があるということをご存知でしょうか?

実は男性特有の民族衣装もあり、丈の長いシャツとズボンを合わせたクルタパジャマやロングコートのようなシャルワニなどが代表的な例です。女性もサリーのほか、ロングスカートのガーグラなど多様な民族衣装が存在しています。

宗教によって身に着ける民族衣装が異なることもあるので、注意深くチェックしてみると面白いかもしれません。

【ベトナム】アオザイ

ベトナムの民族衣装として知られているのが、アオザイ。中国服の影響を受けたとされる民族衣装で、チャイナカラーと呼ばれる衿が採用されています。

腰まで入った深いスリットが特徴的な長丈の上衣とクワンと呼ばれるズボンをセットにして履くのが基本的なスタイル。様々な色合いのアオザイがありますが、白色は正装とされています。

世界で最も美しい衣装と言われることから女性用の民族衣装と思われがちですが、実は男性用もあり、結婚式などで身に着けるそうです。

【ブータン】ゴ/キラ

世界一幸せな国として知られるブータン。2011年にワンチュク国王とジエツン・ペマ王妃が来日した時に、ブームが巻き起こったのが記憶に新しいという方もいるのではないでしょうか。そんなブータンの民族衣装として知られるのが、ゴとキラ。

ゴは男性用の民族衣装で、帯を締めるなどその着こなし方には日本の着物と共通点があります。公の場ではカムニと呼ばれる布をゴの上から身に付けますが、このカムニは階級によって色が異なるが特徴。最高位である国王がサフラン色を身に着けるのに対し、国民は白色を身に着けます。

一方で女性用の民族衣装は、キラと呼ばれ、先ほどご紹介したインドのサリーのように巻き付けるようにして着るのが特徴です。また、ブータンでは公的な場では民族衣装を身に付ける義務がある国としても知られています。

【スコットランド】キルト

スコットランドの民族衣装として知られるのが、男性が着用するキルトと呼ばれる腰に巻き付けるスカートのような衣装です。キルトを身に着け、バグパイプを拭くスコットランド人の姿をテレビで目にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

キルトは、タータンチェックがデザインされた布でつくられているのが特徴で、現在はフォーマルな場で身に付けられることが多いそうです。

【ドイツ・オーストリア】ダーンドル

最後にご紹介するのもヨーロッパの国から。ディアンドルと呼ばれることもあるダーンドルは、ドイツのバイエルン地方とオーストリアのチロル地方などで着られる民族衣装。歴史的にはまだ浅く、一般に浸透したのは20世紀のはじめと言われています。

絞られたウエストとふんわりとしたギャザースカートが特徴的な一着で、可愛らしい雰囲気があります。日本でも各地で開催されるオクトーバーフェストに行くと見かけることができますよ。

世界には様々種類の民族衣装がある

国によって言語や文化に違いがあるように、民族衣装もその国特有の個性があります。今回ご紹介した民族衣装は、世界の民族衣装のなかでもほんの一部だけです。興味がある方は、ぜひ他の国の民族衣装もチェックしみてはいかがでしょうか。

ちなみに愛知県にある「リトルワールド」では、インドや韓国、ドイツなど世界の様々な地域の民族衣装を体験することができます。子供用の民族衣装もあるので、家族揃ってお出かけしてみてはいかがでしょうか。

公式サイト:リトルワールド/民族衣装体験

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