代々受け継がれるきもの! 着る際のチェックポイント&長持ちさせるコツ
日本の伝統衣装である、きもの。お手入れをしっかりとすれば、祖母から母、母から子へと、世代を渡って着ることができる衣装です。実際、最近では母親が成人式に着た振袖を娘が着る「ママ振袖」も話題になっています。
しかし、古いきものはそのまますぐに着られないことも……。今回は、受け継がれるきものをテーマに、着用時の注意点などをご紹介していきます。手元に譲り受けたきものがある方はもちろん、娘にきものを譲りたいと思っている方もチェックしてくださいね。
きものを着る前にチェック
譲り受けたきものは、自分用に仕立てたきものとは違い、シミや汚れがついていたり、サイズが合っていないことがあります。着る直前になって「着られない!」ということのないように、きものの状態を事前に確認しておきましょう。
ここでは、きものを確認する際のポイントとその対処法についてご紹介していきます。さっそく、どこを見ていけば良いのか確認していきましょう!
シミや汚れがないか
古いきものは譲り主が長年タンスに仕舞ったまま、ということも少なくありません。譲り受けた時点で一度、きものハンガーなどにかけ、シミや汚れ、虫食いなどがないかくまなくチェックしましょう。
目立たない部分のシミや汚れは、着付けの工夫で何とかなることもありますが、そうでない場合もあります。自分で対処するのが難しそうなシミは、専門のクリーニング店に相談するのがおすすめ。素人判断で無理矢理シミを取ろうとし、かえって悪化させてしまうこともあります。
サイズが合っているか
きものは多少のサイズ違いであれば、着付けの工夫でなんとかできますが、あまりにも丈が短すぎる、サイズが合わない場合は難しいことも……。時間のあるときに一度、自分のサイズと合うかどうか着付けて確認しましょう。
サイズが合わない場合は、専門の業者にお願いすれば、仕立て直しできる場合もあります。ただし、仕立て直しには時間を有するので、早めに行動を開始してください。自分の体に合ったサイズに仕立て直してもらうことで、体にフィットしたきものになります。
どうしても着られない場合は、リメイクするのもあり!
「せっかくきものを譲り受けたけど、サイズが合わない」「好みのデザイン・色じゃない」という場合は、リメイクするのも一つの手。元のデザインを生かして、色だけ染め直すこともできます。帯や長襦袢に仕立て直すことも可能で、きもののコーディネートの一部として再利用できますよ。
また、思い切ってドレスや傘、バッグなど、にアレンジするのもおすすめ。きものを一枚の布として考えると、さまざまなリメイクが利きます。きもののリメイクは、対応してくれる業者に依頼するほか、裁縫が得意な人は自分でリメイクしても良いですね。アレンジを色々と考えてみてはいかがでしょうか?
きものを受け継ぐためにはどうすれば良い?
子供や孫がいる方のなかには、「自分が着なくなったきものを受け継ぎたい」と考えている人も多いでしょう。しかし、手入れや保管を怠ると、劣化や、シミ、虫食いなどにより、きものがダメになってしまうこともあります。
では、少しでも状態を良くするためにはどうすれば良いのでしょうか? ここでは、きものを長持ちさせるためのコツをご紹介していきます。
着たあとのお手入れ
きものを着たあとにきちんと、お手入れをしていますか? ハンガーにかけて湿気を取り除いたり、汚れやシミがないかチェックするのはとても大事な作業。時間が経つと浮き出てくるシミもありますから、隅々までチェックしましょう。
万が一汚れやシミを見つけた場合は、早めに対応を。自分で対処できない汚れは、専門家に任せるのが良いでしょう。毎回お手入れするのは面倒だと思うかもしれませんが、着たあとにしっかりとお手入れすることで、きものを長持ちさせることができるのです。
保管方法を学ぶ
お手入れをしっかりしたら、きものをタンスなどに保管します。その際、正しいたたみ方を意識するのがポイントです。「本だたみ」など、きもの特有のたたみ方でシワができないようにたたみ、刺繍や箔があれば和紙などをあてておきます。
また、湿気のないところに保管するのもポイント。たとう紙に包み、桐のタンスなど湿気のないところで保管しましょう。
定期的な虫干し
きものの天敵である湿気を避けるためにも、「虫干し」をおこないましょう。虫干しとは、カビ予防のため風通しの良い場所で、きものなどを干すこと。1年に1度虫干しをおこなうことで、きもののカビや変色などを予防するのです。
普段着ないきものの点検にもなるので、汚れやシミを見つけるのにも役立ちます。7月下旬~8月上旬、9月下旬~10月中旬、1月下旬~2月上旬が虫干しにおすすめの時期です。風通しがよく、直射日光が当たらない場所で、虫干しをおこないましょう。
きものは代々受け継ぐことのできる衣装
流行り廃りに左右されにくいきものは、古い時代のものであっても、状態さえ良ければ着ることができます。「子供や孫にきものを受け継ぎたい」という方は、お手入れを忘れずにおこない、少しでも長く着られるようにしましょう。
現代では着る機会が少なくなったきものですが、いつの時代もその美しいデザインが人々を魅力してきました。美しいきものの魅力を、代々受け継いでいってはいかがでしょうか?