着物の基礎知識

初心者の方でも着物に親しんでいただけるよう、着物やゆかたの着付け基礎知識や、
着物の扱いに関してのふとした疑問にお答えいたします。
着物を着るのがより楽しくなるような、役立つ情報をご紹介いたします。

特別な日は着物でオシャレを!着物で参加したい行事

着物の基礎知識

「着物を着たいけどなかなか着る機会がない・・・」と感じている人も多いでしょう。しかし、日本には、七五三や成人式、卒業式など着物で参加をしたい行事がたくさんあります。

人生の節目となるハレの日には、華やかさと厳かさを兼ね合わせた着物を着てみてはいかがでしょうか。

今回は、着物で参加をしたい日本の行事について、TPOに合わせた着物の種類とともにご紹介します。

人生の節目に華やかさをプラスしてくれる着物を着て、お出かけを楽しんでくださいね。

お宮参り

お宮参りとは、赤ちゃんが誕生してから1カ月目を目安に神社を訪れ、健やかな成長を祈願するための行事です。通常赤ちゃんは、「掛け着」と呼ばれる着物を身に付けることになります。男の子は鷹、女の子は花などが描かれることが多く、どちらも鮮やかな色合いの着物です。

お宮参りのために、掛け着を仕立てる家族も多いですが、なかには、両親がお宮参りで着用したものをそのまま譲り受けて着るという人や、レンタルショップで借りるという人も増えています。

両親や一緒に参加する親族は、子どもの服装に合わせ、和装またはスーツを着用するのが定番です。和装の場合は、訪問着や付け下げ、縫い紋を入れた色無地などが適切と言えるでしょう。帯には、袋帯または、格式高い名古屋帯などを合わせるようにしてください。

七五三

7・5・3歳になった子供の成長を祝う七五三も、着物を着て参加したい行事のひとつです。男の子は3歳と5歳に、女の子は3歳と7歳にお祝いをします。

3歳のお祝いで着物を着るときは、帯を締めずに被布と呼ばれるベストのようなものを着用するのが一般的です。5歳や7歳のお祝いでは、男の子は袴を、女の子は振袖を身に付けます。

両親が参加をする場合は、訪問着や付け下げ、縫い紋を入れた色無地、江戸小紋などを着ていきましょう。帯には、袋帯や格式のある名古屋帯を合わせます。あくまでも主役はお子さんですから、落ち着いた色味のものを選ぶといいでしょう。

十三参り

十三参りとは、数え年で13歳になった子供の幸せを祈る行事です。関西圏を中心に行われていた行事でしたが、最近は関東でも行われつつあります。

主に3月13日~5月13日に行われ、男の子は袴、女の子は振袖を着用し、寺社にお参りに行くのが伝統です。

十三参りでは、成人式のときのように本裁ちの着物を着用しますが、肩上げをするのが特徴。

大人は、訪問着や付け下げ、縫い紋を入れた色無地、江戸小紋などが適切です。鮮やかなものよりも、落ち着いた色合いを選ぶといいでしょう。帯には、袋帯や格式のある名古屋帯を合わせてください。

成人式

着物を着る行事といえば、成人式を思い浮かべるという方も多いでしょう。男性は、スーツが多いですが、女性は成人式に振袖を着用するというのが一般的です。

最近はレンタルをするという人が増えていますが、結婚をするまでは、振袖が第一礼装となり、結婚式やパーティーなどさまざまなフォーマルな場面に着ていくことができるので、成人式を機会にそろえておくというのも良いでしょう。

古典的な絵柄から現代的なアレンジまでさまざまなデザインが登場しているので、大人の門出に相応しい、華やかなデザインの振袖を選んではいかがでしょうか?

入学式

着物を着て入学式に参加されるというお母さんの絶対数は、減っているかもしれませんが、上品で華やかな印象のある着物は、先生方の印象にも残りやすいのでおすすめです。

着ていく着物は、付け下げや縫い紋を入れた色無地、訪問着などが適切でしょう。帯は、華やかな飾り結びなどは避け、二重太鼓結びなどできちんと感を演出してください。

派手すぎる着物は、悪目立ちをすることになるので、上品な着物を選ぶと周りの親御さんたちや先生からの印象もアップするはずです。入学式で着物を着用するときは、TPOをわきまえた、品のある装いをしてください。

卒業式

大学や専門学校の卒業式の定番の服装といえば、袴ですよね。最近では、小学校の卒業式でも袴で出席する子供が増えています。

袴で参加することになる行事は少なく、貴重な存在なので、ぜひこの機会に袴を着てほしいものです。

保護者として出席するときは、訪問着や付け下げ、紋付の色無地などが適切。落ち着いた色合いやデザインのものを選ぶのが良いでしょう。

親子で着物を着ることがでいるので、小物を親子でそろえるという着方もできますよ。親子ともに思い出に残る行事を過ごすことができそうです。

結納

結納では、当事者は振袖や訪問着、付け下げなど、華やかで格式のある装いが適切とされています。結婚をしてしまうと、振袖を着ることができないということから、結婚前の結納では、振袖を身に付けるという女性も多いようです。

結納での服装を決めるときに注意をしてほしいのが、両家の格を同じにするということ。男性が略礼服の場合は、振袖で良いですが、ダークスーツを着用する場合は、訪問着などが適切です。結納式前に、どんな服装にするのか互いによく話をしておくようにしましょう。

結婚式・披露宴

結婚式や披露宴に着物を身に付けていく際は、着物の格に注意しなければなりません。既婚者の親族や仲人は、黒留袖が第一礼装となります。

友人の結婚式などに行く場合は、色留袖や訪問着、付け下げ、縫い紋の入った色無地などが適切。小紋のなかでも格式のある江戸小紋であれば、フォーマルな結婚式の場でも着ていくことができます。

未婚の女性であれば、振袖が第一礼装ですが、華やかすぎるような装いにならないよう、ヘアアレンジや帯の結び方などに気を付けるようにしましょう。

還暦祝い

60歳になると盛大な還暦祝いをするという家庭もあるかもしれません。フォーマルな場面では、訪問着や色留袖などを着用するといいでしょう。

還暦祝いを皮切りに、古希や喜寿、米寿など長寿を祝う行事が増え、着物を着ることが多くなります。品と華やかさを併せ持った和装を用意してはいかがでしょうか?

お正月

普段着物を着ないという人にもおすすめなのがお正月の着物デビュー。1年の始まりに着物を着て、晴れやかな気持ちで過ごしてはいかがでしょうか?

あいさつ回りなどのフォーマルな場であれば、振袖や訪問着、付け下げなどが良いでしょう。気軽な初詣などカジュアルな場面ならば、色無地や小紋といった着物でも問題ありません。

TPOに合わせた着物を選択して、お正月を過ごしてください。

その他

着物は、前述した行事のほか、歌舞伎やオペラなどのコンサート、美術館の鑑賞などちょっとしたイベントごとで着るというのもおすすめです。

格にさえ気を付ければ、さまざまな場面で着用できるので、洋服と同じように何着かそろえておくと、いざというときに活躍してくれるでしょう。

 

今回は、着物を着て参加をしたい日本の行事についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

一覧で見てみると、意外と着物を着る機会がたくさんあるということがわかっていただけたかと思います。

着物に興味はあるけど、なかなか着る機会がない・・・と考えている人は、まずは今回ご紹介したような行事からチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

七五三や入学式など、フォーマルな行事は、簡単なスーツで済ませてしまうという人も多いですから、着物の装いがよく映えますよ。

バッグや着物などお気に入りのアイテムをそろえて、充実した着物ライフと楽しんでくださいね。

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