着物に挑戦! 着物を始めるためにしたいことって?
着付けの必要性やTPOにまつわるルールから“日常生活で着物を着るのは大変”というイメージがありますが、洋服のように必要最低限の知識を身に着け、いくつかのアイテムを用意するだけで着物でのお出かけを楽しむことは十分にできます。
では、着物を始めるためにはどのようなアイテムを揃え、どんな知識が必要なのでしょうか?今回は、これから着物を着てみたいという方のために、着物を始めるために必要なことをご紹介していきます。
1.基礎的な知識を身に着ける
着物を着るためには、着物をはじめ着付けに必要なアイテムを用意しなければなりません。しかし、どんな着物が必要なのかを知るためにもまずは、着物の基本的な知識をマスターしておきましょう。ここでは着物の基礎知識をご紹介していきます。
TPOによって異なる着物の種類
「友達とのランチにイブニングドレスを着ていく」「結婚式にジーンズを履いていく」どちらも違和感のある組み合わせですよね? 私たちが普段TPOに応じて着ていく洋服を変えるように、着物にもフォーマルに適したものとカジュアルに適したものがあります。では、着物にはどんな種類があるのでしょうか?
- 留袖
女性の第一礼装のひとつで、結婚式などフォーマルな場面で着用します。
- 振袖
袖が長いのが特徴。未婚女性の第一礼装で、成人式で着られることの多い着物です。
- 訪問着
縫い目をまたがるようにして描かれた絵羽模様が特徴で、子供の入学式や卒業式などに着ていきます。
- 付下げ
模様が全て上を向くようにしてつくられた着物で、訪問着とほぼ同格に扱われます。
- 色無地
黒地以外でつくられた、柄のない着物で、紋の有無でフォーマルからカジュアルまで幅広く着ることができます。
- 小紋
お出かけに最適なおしゃれ着。デザインによってはセミフォーマルな場に着ていけるものもあります。
季節によって異なる着物の種類
洋服に衣替えがあるように、着物も季節に応じて身に着ける種類が異なります。夏は涼しく、冬は暖かく着こなせるよう、TPOの違いと合わせて確認をしていきましょう。
- 袷(あわせ) 10月~5月/裏地が付いた着物
- 単衣(ひとえ) 6月・9月/裏地・透け感がない着物
- 薄物 7月・8月/裏地が無く、透け感がある着物
その季節に合った着物を着るのがベストとはいえ、上記でご紹介した時期はあくまでも目安。フォーマルな場では意識する必要があるかもしれませんが、暑くなってきたからそろそろ薄物を着ようかな?など、洋服と同じように気軽に衣替えを楽しみましょう。
結局どんな着物を選べば良いの?
こんなに種類があると、どの着物を購入すれば良いのかわからなくなってしまうかもしれません。
しかし、友達との食事やちょっとしたお出かけであれば「小紋」、子供の入学式や卒業式であれば「色無地」「付下げ」といったように自分が着物を着ていく場所をイメージすると必然的に選ぶ着物の種類も狭まってきます。そのなかから自分に合った最適なものを選びましょう。
また、初めての着物を探しているのであれば、「洗える着物」がおすすめです。着物=値段が高いというイメージがあるかもしれませんが、気軽に購入できるものも多くあります。とくに洗える着物は、お手頃なお値段で購入できるものが多いのが特徴。
もちろん、名前の通り家庭の洗濯機で洗うことができるので、汚れを気にせず着られるのも嬉しいポイントですね。
慣れない着物でのお出かけは気づかないうちに裾などが汚れてしまうこともあるので、洗える着物はとても重宝します。着物デビューの一着としてまずは、洗える着物を購入してはいかがでしょうか。
2.必要なアイテムを揃える
どんな場面で着物を着るのか決まったら、着付けに必要なアイテムを揃えていきます。着物や帯だけでなく、長襦袢や肌襦袢、腰紐など着付けをするために、必要なアイテムは全て用意をしておきましょう。
※着付け教室に通う場合は、一部必要なアイテムをレンタルできる場合もあります。ただ、今後着物を着てみたいという人であれば、全て揃えておいて損はないでしょう。
・着物
・帯
・長襦袢
・肌襦袢
・裾除け
・半衿
・衿芯
・腰紐
・伊達締め
・帯枕
・帯板
・帯締め
・帯あげ
・足袋
・草履
このほか、時期や人によっては着物の上から着る羽織物や体の補正をしてくれる補正用ブラジャーなども用意しておくと便利です。
ただし、人によって必要なものとそうでないものがあるので、基本的なもの以外はどれが必要なのかよく見極めましょう。最近は着付けに必要なアイテムをセットで販売しているところもあるので、チェックしてみるといいですね。
祖母や母親の着物を着たいという人も改めて確認を!
これから着物を始めたいという人のなかには、祖母や母親から代々受け継がれてきた着物を着こなしたいという人もいるかもしれませんね。
しかし、「着物も道具も準備できているし、あとは着るだけ」と思っている人は要注意。長期間の保存で着物が傷んでいたり、着丈が合わないということも十分にあり得ます。
必ず着物を着る前に箪笥から出し、実際に広げ、状態を確認しましょう。シミや汚れの度合いによっては、取り除ける場合もあります。また、丈に関してもお直しで対応できる場合もあるので、専門業者や呉服店などに相談すると良いでしょう。
3.着付けに必要な知識を付ける
着付けに必要な道具が揃ったら、いよいよ着付けをしていきます。最近は少し検索をすれば着付けに関する知識が手に入るので、なかには自己流で着付けをマスターする予定という方もいるかもしれませんね。
しかし、ネットの情報だけではわかりづらい箇所があったり、知らず知らずに間違えているということも十分に考えられるので、時間に余裕があればお近くの着付け教室に通うことをおすすめします。
全国には様々な着付け教室がありますが、決めるポイントは大きくわけて「家との距離」「講座の内容」「料金」の3つです。
- 家との距離
週に1回、2回など着付け教室によって通う頻度は異なりますが、定期的に通うことになる教室です。遠いと通うのが大変なので、自宅から通いやすい教室を選ぶようにしましょう。
- 講座の内容
着付けだけを教えてくれるところもあれば、立ち居振る舞いやコーディネート方法など、実際のお出かけに役立つ情報を教えてくれる着付け教室もあります。自分にはどれが必要なのか見極めたうえで、着付け教室を選びましょう。
- 料金
着楽楽Kimono教室のように、5,000円(全12回)で通えるところもあれば、月額1万円ほどかかるところもあります。着付け教室の料金形体はピンからキリまであるので、講座の内容とのバランスを考えて選ぶと良いですね。
知識が付いたらお出かけをしよう!
着付けが出来るようになったらさっそく、着物でお出かけをしてみましょう。着付け教室に通いたてや着付け方法を習得してすぐは、なかなか思い通りに着付けができず、憂鬱な気分になるかもしれません。
しかし、着付けは繰り返すことで上手くなるものです。キレイにできないからと敬遠していては、いつになっても着付けをマスターできません。結婚式や子供の七五三、入学式といったハレの日はもちろん、友達とのランチなど気軽なお出かけにもどんどん着物を着ていきましょう。
着物を着る機会は自分次第でいくらでもつくることができます。着付けができるようになれば、着物でお出かけするのが楽しくなりますよ。