着物だけじゃない! 世界の民族衣装について part2
きものは日本の民族衣装として知られていますが、日本以外の国にも民族衣装は存在します。各国独自の発展を遂げたものも多く、そのデザインは国によりさまざま。きものと似ている衣装や、逆に全く違う見た目をした民族衣装もあります。
「着物だけじゃない!世界の民族衣装について」では、韓国の韓服や、インドのサリーをはじめとする各国の民族衣装をご紹介しました。今回はその第2弾として、中国やペルーなど6カ国の民族衣装をご紹介していきます。
世界の民族衣装
日本で古くから親しまれてきたきものですが、世界にもその国や地域で親しまれてきた民族衣装があります。テレビなどで見かけることの多い、日本人に馴染み深いデザインのものもあれば、普段あまり目にしたことのない民族衣装もあるでしょう。
世界各国にある民族衣装のなかから今回は、中国、ペルー、タイ、フィンランド、南アフリカ、オランダの民族衣装をご紹介していきます。さっそくどんな民族衣装なのか、その特徴を見ていきましょう。
中国
まずご紹介するのは、日本のお隣中国(中華人民共和国)の民族衣装。世界最大の人口を誇り、約14億人が暮らす中国には、多種多様な民族が暮らしています。そのため、民族衣装も民族によりさまざまな種類があります。
なかでも日本で有名なのが「チャイナドレス」。満州族の民族衣装がもとになり、1920年代に誕生したといわれています。ワンピース式の衣装にスリットが入っているのが特徴的ですが、かつては上下別々のものも存在していました。
ペルー
続いてご紹介するのも、さまざまな民族が暮らす国です。ペルーは、南アメリカにある国で、インカ帝国の遺跡・マチュピチュなどが有名です。
こちらも民族によりさまざまな種類の民族衣装がありますが、かつてスペインが植民地としていたため、その当時の影響を受けた民族衣装も残っています。スペインの民族衣装と見比べてみると面白いかもしれません。
タイ
日本から約6~7時間で到着する、タイ。多くの国民が仏教徒として知られるアジアの国で、エキゾチックな雰囲気があります。
タイの民族衣装のひとつが、「シワーライ」。女性の正装で、トップスとスカートに分かれています。トップスはサバイと呼ばれ、胸や腰に巻くようにして着こなすのが特徴です。ちなみに、男性の正装は「スア・プララーチャターン」と呼ばれています。
フィンランド
続いてご紹介するのは、北ヨーロッパにあるフィンランド。自然豊かな国として知られ、秋から春の間はオーロラを目にすることもできます。
そんなフィンランドの民族衣装として知られているのが「カンサッリスプク」です。地域によってデザインに違いがありますが、基本的に女性は、ブラウス、ベスト、スカート、エプロンを組み合わせるのが特徴となっています。
南アフリカ
南アフリカは、アフリカ大陸に位置する国。日本からの直行便はなく、香港などを経由して訪れることになります。多くの自然が残っている国で、野生動物に出会うこともできますよ。
南アフリカにはさまざまな民族が住んでいますが、独特の文化があるとして知られるのが、ンデベレ族。女性は、カラフルな衣装やビーズのアクセサリーを身に着け、首や腕、足などをリングで飾っています。
オランダ
最後にご紹介するのは、ヨーロッパ北西部に位置するオランダ。オランダは、日本が鎖国していた江戸時代も貿易を続けた、日本とゆかりのある国の一つです。
オランダの民族衣装は地方によって特徴が異なりますが、頭の飾り、花柄のジレ、上着、スカート、エプロン、木靴などを身に着けるのが定番。そのなかでも日本人によく知られるのがフォーレンダムの民族衣装で、ストライプのスカートに、とんがった帽子を身に着けています。
民族衣装を実際に見てみたい!
これまでさまざまな国の民族衣装をご紹介してきましたが、実際にその目で民族衣装を見てみたいという人も多いでしょう。とはいえ、世界の国々に出かけるのは容易なことではありません。
そこでおすすめなのが、大阪府・吹田市にある「国立民族学博物館」へのお出かけです。「みんぱく」という愛称で親しまれているミュージアムで、世界のさまざまな国の暮らしや文化を展示、紹介しています。
衣食住を中心とした構成になっており、そのなかには民族衣装の展示も。これまでご紹介してきた国以外の民族衣装も展示されるなど、さまざまな国の民族衣装を目にできますよ。気になる方はぜひ一度、訪れてみてはいかがでしょうか?
その国の文化が垣間見える、民族衣装
今回ご紹介した以外にも世界には、さまざまな種類の民族衣装が存在しています。複数の民族が暮らす国では、民族や地方によって民族衣装が異なることも…!
その国の文化や歴史が反映された民族衣装は、その国独自の個性があり、見ているだけでも面白いものです。馴染みのある国や、興味がある国の民族衣装を調べてみると、新しい発見があるかもしれませんよ。