お出かけ前に覚えよう!着物の着くずれ対策&立ち振る舞い
着物を着るようになると意識するようになってくるのが、立ち振る舞い。洋服と着物では立ち振る舞いに少し違いがあります。歩くときや椅子へ腰かけるときなど着物の立ち振る舞いに少し気を配るだけで、大きな着くずれなどを防ぐことに繋がります。
そこで、今回は着物を着るときに気を付けたい立ち振る舞いや、万が一着くずれてしまったときの対処方法についてまとめました。自分で着くずれを直す方法を知っていると、いざというときにとても役立ちますよ。普段から着物を着ているという人も、これから着物を習いたいと思っている着物初心者さんもぜひチェックしてください。
着物ならではの立ち振る舞いを意識しよう
着物を着るときは立ち振る舞いを意識することがとても大切です。着物ならではの立ち振る舞いを知ることは、前述したように着くずれを防止することはもちろんですが、キレイな着物姿になることにも繋がります。
つまり、着物美人を目指すうえで立ち振る舞いはマスターしておきたいことの一つと言えるのです。さっそく、どんな立ち振る舞いが着物を着るうえでのポイントとなるのか見ていきましょう。
歩くときは歩幅を狭く&内股で
普段歩くときに、大股で歩くクセが付いているという方は気を付けましょう。着物の場合、大股で歩くと裾が開いてしまうため、歩幅は狭く、内股で歩くようにするのがポイントです。また、猫背は印象が悪いので、姿勢を伸ばした状態で歩くよう意識をしてください。
階段の上り下りのときは裾を軽く持つ
階段を上るときなど段差を踏み越えるときは裾を軽く持って移動をしましょう。何もせずとも階段の上り下りができるといった人もいますが、誤って裾を踏みつけてしまったり、裾を土や埃などで汚してしまったりといったことに繋がる心配があります。
着物についた汚れは簡単に取れるものもありますが、専門業者に頼まなければいけないというケースもあるので、汚れに繋がるような動作には気を遣うよう習慣づけると良いですね。上るときはかかとではなく、つま先に重心をかけるというのもポイントです。
車に乗るときはお尻から
普段車に乗るときには、足や頭から乗るという人が多いと思いますが、着物で乗るときはお尻から入ると着くずれを防ぐことができます。まず、外に向いたまま車のシートに腰をかけましょう。次に足を回転させ、体が車内に入るようにします。この動作をすることで、車に乗るときも着くずれを少なくできますよ。
また、車に乗るときは、背もたれにも注意を配らなければなりません。着物を着用するときは帯を締めているため、背もたれにもたれかかるような形で座るとせっかくキレイに締めた帯が崩れてしまいます。帯が背もたれにつかないよう、浅く座るようにしてください。
車から降りるときはこれとは反対に、足を回転させて外に出し、立ち上がるとキレイな立ち振る舞いになります。
物を上にあげるときは袖口に手を添える
乾杯のときや電話をかけるときなど手を上にあげる動作を行うときは、着物の袖口を押さえるようにしましょう。
例えば、右手をあげたいときは、反対の左手で右手の袖口を軽く押さえます。袖口を押さえることで、着物が腕の方へとずり落ちてきてしまうのを防ぐ働きをしてくれますよ。
バンザイなど洋服では問題の無い動作も着物には着くずれの原因となってしまうので、着物を着るときは激しい手の動きに気を配るようにしてください。
トイレは慌てずに落ち着いて
着物初心者の方だと、「着物でトイレに入るのは難しそう」と思う方が多いでしょうが、一度慣れてしまえば簡単に入ることができます。和式よりも洋式のトイレの方が入りやすいので、選択ができる場合は洋式を選ぶようにしましょう。
まず、着物→長襦袢→裾除けの順に裾を持ち上げ、まとめてください。まとめ方は帯締めに挟む、クリップで止める、脇に挟むなどいくつか種類がありますが、持ち上げた着物がずり落ちないようにできれば、自分のやりやすい方法で問題ありません。
トイレが完了したら止めてある着物を下ろして、元の着物姿に戻しましょう。着物を持ち上げる動作は、慌てて持ち上げてしまうと着くずれてしまうことがあるので、落ち着いて対処するようにしてください。
椅子に座るときは浅く腰掛けよう
車のシートに腰を掛けるときと同様に、椅子に腰かけるときも浅く座るのがポイントです。帯が後ろにあるということを意識しながら、腰をかけましょう。背筋をピンと伸ばすように座ると、美しい姿勢を保つことができますよ。
着くずれ対策はいざというときに役立つ
出典 http://item.rakuten.co.jp/yuubi/
いくら着くずれをしないように立ち振る舞いに気を付けていても、腰がたるんでしまったり、衿元が緩んでしまったりということはあり得ます。直し方がわからず、外出中も着くずれたままというのは少し恥ずかしいですよね。
着物の着付けなどと同様に、着くずれをしたときの直し方についてもしっかりと学んでいきましょう。
衿が緩んでしまったとき
衿が緩んできたときはおはしょりを軽く引っ張ることで、直すことができます。鏡などを見ながら、引っ張りすぎないように注意をして直しましょう。
外衿を直す場合は、外に出ているおはしょりの端を軽く引けば良いのですが、内衿を直したいときは帯の下に手を入れるようにして、内側のおはしょりを上手く引っ張るようにしてください。
腰の部分が緩んだり、たるんだりしたとき
椅子へ座ったりすると緩んできてしまうのが腰や背中の部分です。腰の部分にあるおはしょりを持ち上げることで、緩みやたるみを解決できます。引き上げたあとは、おはしょりをキレイに整えるようにしましょう。
裾が下がって地面についてしまったとき
裾を踏んでしまったときなど裾が着崩れてしまうということがあります。そんなときは、おはしょりの下から手を入れて、上前を引き上げましょう。あとは、おはしょりを整えれば、元のような形に整えることができます。
脇の部分がたるんでしまったとき
着物の場合、手を上にあげると脇の部分がたるんでしまうということがよくあります。そんなときは、たるんでいる部分のおはしょりを下に引くともとのスッキリとした風体に戻ります。あとは、長くなったおはしょりを整えれば完了です。
脇はたるみやすい部分なので、定期的に着くずれを直したり、あまり腕をあげすぎないように注意するなどして対応しましょう。
気づいたときにすぐ直す
着くずれを直すときのポイントは、崩れが小さい初期の段階で直すということ。まだ着られるから大丈夫と思って着くずれをそのままにしておくと、元に戻らない大きな着くずれに発展をしてしまうことも・・・。着くずれは早目の対応を心掛けるようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?今回は、着物を着るときの立ち振る舞いや着くずれしたときの直し方についてご紹介しました。美しい立ち振る舞いは、着物姿を美しく見せるだけでなく、着くずれを防ぐためのものでもあります。とはいえ、いくら立ち振る舞いに気を遣っていても、崩れてしまうことはでてきます。そんなときは今回ご紹介した着くずれの対処法を実践してみてください。最小限の着くずれで済ませることができますよ。
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