着物の基礎知識

初心者の方でも着物に親しんでいただけるよう、着物やゆかたの着付け基礎知識や、
着物の扱いに関してのふとした疑問にお答えいたします。
着物を着るのがより楽しくなるような、役立つ情報をご紹介いたします。

着物をリメイク! 着ていない着物を甦らせよう

着物の基礎知識

「祖母から着物を貰ったけど着る機会がない」「昔はよく着ていたけど今の自分には合わないデザイン」「お気に入りの着物だけど大きなシミや汚れができてしまった」など、タンスの奥に眠ってしまっている着物はありませんか? 祖母や母から譲り受けたり、思い入れのある着物は、売ったり・捨てたりするのは少し躊躇してしまいますよね。

しかし、せっかくの素敵な着物をタンスに眠らせたままというのはもったいないものです。そこで今回は、着ていない着物を甦らせるリメイクアイデアをたっぷりとご紹介していきます。使えるアイテムへと甦らせてあげましょう。

着物の汚れ・シミが気になるなら、一度専門店へ

リメイクしか考えていないという人は別ですが、「本当はまだ着たいけど、目立つ部分に汚れやシミができてしまって……」という人は、まずはお近くの呉服店や着物専門のクリーニング店へ相談に行きましょう。

汚れの種類や度合にもよりますが、数十年前のシミや汚れをきれいに取り除いてくれるお店もあります。着物の汚れは素人目では判断できないことが多いですから、自己判断せず一度相談に行くと思わぬ結果が生まれるかもしれません。

「着楽楽Kimono教室」を運営する「本きもの松葉」のように見積もりや相談を無料で承っている呉服店も多いです。まずは相談をして、それでも無理なようならリメイクをしても遅くはないですよ。お気に入りの着物だからこそ、時間をかけて使い道を考えていきましょう。

参考:きものアフターケア診断士 (本きもの松葉)

着物を甦らせる! リメイクアイデア集

リメイクするということは、今とは違う形・デザインのアイテムになるということです。とくにハサミを入れることを前提としたリメイクは、一度はじめてしまうと後戻りするのが難しいので、どんな風にリメイクをするのかじっくり考えていきましょう。

ここからは、着ていない着物を甦らせるリメイクアイデアをご紹介していきます。手元にある着物のデザインを思い出しながら見ていってくださいね。

着物のリメイクアイデア1.染め直し

「色が派手でこのままじゃ着られない」「黄ばみが目立っている」と悩んでいる人ならば、全く別のアイテムにリメイクするのではなく、着物自体を染め直すのもひとつの手です。

染め直しでは白色から紺色というように着物全体を別の色へと染め替えます。着物は体全体にまとう衣装なので色の印象が大きいですが、派手な色の着物を落ち着いた色に染めるだけでも活躍できる範囲もグッと広がってくるはずです。

無地の着物の染め直しはもちろんのこと、元からある柄を活かした染め直しをすることもできるので、普段から着物を着る機会があるという人はチェックしてみてくださいね。

着物のリメイクアイデア2.子どもの着物へ仕立て直す

自分で着られない着物ならば、子ども用の着物へ仕立て直すのはいかがでしょう。お宮参りで着る祝い着や、七五三で着る被布や着物など、子ども用の着物へ仕立て直すことができます。とくにお宮参りや七五三で子どもたちが身に着ける着物は、華やかなものが多いので派手で着られないと悩んでいる着物ほど今回のリメイクに適しているかもしれませんね。

もちろん、小さな子どもだけでなく、娘や孫など成人した女性の着物としても仕立て直しが可能です。時代がたっても受け継ぐことができるのが、着物の良いところ。世代を超えて、着物を着こなしましょう。

着物のリメイクアイデア3.帯へ仕立て直す

「デザインは気に入っているけど、着物として着るには派手すぎる」「丈が短くて着られない」という着物のリメイクにおすすめなのが、帯への仕立て直しです。全身に身に着けるには派手なデザインでも、帯ならばコーディネートのポイントとして活躍してくれます。

着物だけでなく、羽織のリメイクアイデアとしてもおすすめなので、手持ちで着ない着物や羽織がある人はチェックしてみてくださいね。

着物のリメイクアイデア4.ドレス

振袖や留袖などの華やかなデザインを活かせるのが、フォーマルなドレスへのリメイク。和装である着物を洋装にリメイクすることで、オリジナリティあふれる和モダンな印象のドレスへと変身します。

なかでも花嫁が祖母や母、自分の振袖を披露宴で着るカラードレスへとリメイクするのが人気。華やかなドレスがおめでたい結婚式の雰囲気にマッチします。とくに、母の振袖をリメイクして結婚式で着るというのは、花嫁はもちろん母親にとっても嬉しいものです。

着物のリメイクアイデア5.日傘

裁断した着物を傘の骨組みに合わせることで、オリジナルの日傘が完成します。日傘は普段から使うものなので、自分用としてはもちろんプレゼントとしても喜ばれるでしょう。

また、なんといっても着物と相性が良いのが嬉しいところ。着物でお出かけするときの相棒としてリメイクしてはいかがでしょうか。骨組みさえ用意できれば自分で作ることもできますが、最近では着物を日傘にリメイクしてくれる専門業者も登場しています。UV加工やはっ水加工を施してくれる場合もあるので、インターネットで検索してみては?

着物のリメイクアイデア6.洋服

カラフルなアロハシャツですが、実はそのルーツのひとつと言われているのが着物。南国のイメージがあるアロハシャツの起源が着物というのは、驚きですよね。

アロハシャツだけでなくスカートやワンピースなど、普段使いできる洋服へのリメイクは定番のアイデア。柄を前面に使う、ポイント使いする、などアイデア次第で幅広い活用ができます。

着物のリメイクアイデア7.バッグ

使用頻度が高いリメイクアイデアとしておすすめなのが、バッグ。和装に合うのは言うまでもないですが、デザイン次第で洋服とマッチするバッグを作ることもできるでしょう。

柄を最大限生かすのも良いですが、派手なデザインであれば裏地として活用するのも良いですね。洋服同様にアイデア次第でオリジナリティあふれるものができますよ。

リメイクは専門業者?それとも自分?

どんなアイテムにリメイクをするか決めたら早速着物をリメイクしていくことになりますが、ここで迷うのが専門業者に依頼をするのか、それとも自分でするのかということでしょう。

最近では着物のリメイクを専門に扱うサイトも増えてきていますし、お金の問題さえクリアできれば依頼すること自体は簡単です。専門業者に依頼する場合、サイトによってできるリメイクや値段が異なるので、いくつか見比べて自分に合ったところを見極めてから申し込むようにしましょう。

また、バッグや洋服などのリメイクは自分ですることもできます。もちろん、ある程度の裁縫技術は必要になりますが、最近では着物のリメイクに関する書籍も登場しているのでそれらを参考にしつつ、チャレンジしてみるのも良いかもしれませんね。

アイデア次第で色々できる、着物のリメイク

使っていない着物を甦らせてくれる、リメイクアイデア。今回ご紹介したのは、数あるリメイクアイデアのなかでもほんの一部です。着物は、アイデア次第でさまざまなものにリメイクできるので、イメージを膨らませてくださいね。

思い入れのある着物ほどリメイクするのは勇気がいりますが、日の目を見ないままタンスの肥やしとなってしまうのはもったいないですものです。良いリメイクアイデアに出会ったら、思い切ってリメイクを検討してはいかがでしょうか。着物をさらに素敵なアイテムへと変身させてくださいね。

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